塩ビパイプを使った アイアン風ガーデンシェルフの作り方

塩ビパイプを使った アイアン風ガーデンシェルフの作り方

プランタースタンドやガーデンツールの置き場所として活躍するガーデンシェルフ。ウッドデッキやベランダに置いてアクセントになるものを作りたいときに、ヴィンテージ感のあるアイアンフレームのシェルフなどはいかがだろうか。アイアンといっても、ここで使用するのは軽くて加工がしやすくDIYで人気の資材である塩化ビニールパイプ(塩ビパイプ)。
この材料をアイアンペイントで塗装して、雰囲気のあるシェルフに仕上げていこう。


[塩ビパイプ工作の基礎知識]

塩ビ管を使って工作をするにあたって知っておきたい基礎知識ーー塩ビパイプの種類、切断や接合の方法について解説。これからオリジナルのシェルフやインテリア小物などを作る際の参考にしてほしい。
●塩ビパイプの種類
水道管などとして使われることが多い塩ビパイプには多くの種類、サイズがある。そのなかでDIYでの工作に使いやすいのは、肉厚があって強度が高い給水用の「VP管」という種類。サイズは、内径13mm、16mm、20mmなどが、見た目と強度のバランスがよくてDIYにおすすめ。
また、パイプを接合するジョイントパーツとして、T型の「チーズ」、L型の「エルボ」、I型の「ジョイント」、パイプの端にフタをするパーツとして「エンドキャップ」などを使用する。

写真は上から内径20mm、16mm、13mmのパイプとエルボを比較したもの。シェルフなど強度が必要なものを作る場合は、内径20mmを使用するとよいだろう。

●切断ツール
【パイプカッター】
丸みのあるアゴの部分にパイプをのせた状態でハンドルを握り込むと、直角にカットできる。ハンドルはラチェット式を採用していて、太いパイプでも何度か握り直すと簡単にカットできる。作業効率がよいため、たくさんのパイプを加工する場合におすすめ。

【パイプ用ノコギリ(パイプソー)】
塩ビパイプ切断用のノコギリ。金属切断用の金ノコギリでも塩ビパイプをカットできる。パイプカッターに比べると切断に時間がかかるが、価格は手ごろで入手しやすい。


●専用接着剤
塩ビパイプを接着して固定したい場合に使用する専用接着剤。パイプとジョイントパーツの両方に塗って組み付ける。速乾性があるため、貼り付く前に手早く作業するのがポイントだ。ちなみに、今回の組み立ては差し込んだ強度で十分なため、接着剤を使用していない。

[用意するもの]


<材料>
・塩ビパイプ 内径20mm 2m×1本、1m×1本
(使用サイズ:440mm×2本、310mm×1本、210mm×1本、190mm×2本、80mm×2本、60mm×2本、50mm×3本)
・チーズ 内径20mm 6個
・エルボ 内径20mm 2個
・エンドキャップ 内径20mm 2個
・パイン集成材 18×200×600mm 2枚
・パイン小割材 18×18×910mm 1本
・プライマー
・アイアンペイント
<道具>
・パイプカッター(パイプ用ノコギリ)
・プラスチックハンマー(ゴムハンマー)
・油性ペン
・多用途強力両面テープ(ブチルテープ)
・ハケ
・スポンジ

[パイプをカットする]

1.切断位置に印をつける

材料表にある使用サイズを測って、油性ペンでパイプの切断位置に印をつける。寸法のズレが発生しないように、1回ずつカットして測ること。
【参考】接着剤を使わない場合、ジョイントへのパイプの差し込み深さは約20mm、接着剤を使う場合は約30mmとなる。組み付け後に多少の誤差は発生するが、オリジナルを製作する場合はこの寸法をもとにパイプの長さを決めよう。

2.パイプをカットする

印と刃の位置を合わせてパイプカッターにパイプをはさみ、ハンドルを握ってカットする。1回では切りきれないので、カチッというまでハンドルを開いてから握り直すことを数回繰り返してカットする。

シェルフのフレームを組み立てるために必要なパイプのカットが完了。

[フレームを組み立てる]

3.上部を組み立てる

190mmパイプと2個のエルボを使用する。

パイプの両端にエルボをはめて両側から力いっぱい押し込む。パーツを平らな台の上に置いた状態で、両側のエルボがねじれないように注意して作業すること。その際、エルボの先に使用していないパイプを軽く差し込んでおくと、ねじれたときにわかりやすい。

4.棚受け部分を組み立てる

190mmパイプと50mmパイプ2個、チーズ2個を使用。写真の並びで組み立てていく。


(3)の手順と同じ要領で、ねじれに注意して190mmパイプの両端にチーズをはめ込む。


(3)で組み立てた上部パーツに50mmパイプ、棚受けパーツの順に差し込んで組み付ける。手で押し込むのがきつい場合は、プラスチックハンマーで均等に叩き込むとよい。
5.つなぎ用のジョイントを組み付ける

50mmパイプとチーズを使用して、左右のフレームをつなぐためのジョイント部分を作る。


組み立てた棚受けの下に50mmパイプを差し込み、チーズのジョイント部が上を向くように組み付ける。ジョイント部の向きがずれてしまったら、使用していないパイプを軽く差し込んで回して修正する。

6.下部を組み立て上部と連結する

80mmパイプとチーズ3個を組み立てた後、310mmと210mmのパイプを使って上部パーツと連結する。


3個のチーズを写真の向きになるように80mmパイプでつないで組み立てる。全体の幅が上部パーツとそろうように調整し、まん中のチーズはジョイント部分を90°立てた状態にしておく。


310mmと210mmのパイプを間に入れて上部と下部のパーツを連結する。


できあがったフレームの下端に、60mmパイプとエンドキャップを差し込んで脚にする。これで片側のフレームが完成した。


左右のフレームが対称になるようにジョイント部分の位置に注意して、もう一方のフレームも組み立てる。

7.左右のフレームを連結する

上下につけたチーズのジョイント部に440mmパイプを差し込む。


反対側のフレームを組み付けて、両側から力いっぱい押し込む。


全体を見て歪みがないかをチェックして調整したら、フレームの完成。

[棚板にズレ止めを取り付ける]

8.取り付ける位置を決める

ズレ止めに使う小割材は、棚板の奥行に合わせて200mmの長さで4本カットしておく。


上段は棚受けパイプの内側の寸法を測る。


棚板のセンターを起点に先ほど測った寸法で両側に線を引く。フレームの歪みなどの誤差に備えて、線は両側ともに3mm程度の余裕をとっておこう。


9.ズレ止めを固定する

多用途強力両面テープをズレ止めの角材の一面に貼って保護紙をはがす。


引いた線の内側に合わせてズレ止めを貼り付ける。


下段は棚受けパイプの外側の距離を測り、余裕をとって少し外側にズレ止めを固定する。

[フレームを塗装する]

10.アイアンペイントで塗装する


塩ビパイプへの塗料の密着性をよくするために、プライマーを下塗りする。



上塗りにはブラックのアイアンペイントを使用。塗料の厚みや凸凹でアイアンらしさを表現するため、小さくカットしたキッチンスポンジを使用する。
スポンジはこすり付けず、ポンポンと叩くように使って塗料を載せるように塗っていく。すると塗装の表面が粒状になってアイアンに似た風合いに仕上がる。
スポンジの荒い面を使うと、凸凹がより大きくなって立体感が増す。スポンジの面は好みで使い分けよう。

[完成!]

塗装が乾いたフレームに棚板をセットして完成。屋外で使用する場合は、フレームにクリアを上塗りして保護し、棚板も防水性のある塗料を塗っておこう。